不登校
不登校になった子どもを前にすると、保護者は「どうすれば学校に戻れるのだろう」と考えます。今の学校に戻ることができれば、それが一番いいと思うこともあります。
しかし、不登校が長期化すると、子どもが抱える不安は少しずつ大きくなっていきます。学校を休む期間が長くなるほど、「今さら学校に戻れるのだろうか」と考えてしまうからです。
だからこそ、不登校になったときは、ただ学校へ戻すことだけを考えるのではなく、子どもがなぜ学校へ戻れないのかを考える必要があります。
この記事でわかること
不登校が長期化すると抜け出しにくくなる理由
「無理に行かず、休んでも良いよ」という対応の難しさ
不登校の子どもが抱えている6つの不安
不登校に必要な自立力やコミュニケーション力
転校によって環境を変える意味
転校先を選ぶときに確認したいこと
不登校になったばかりの頃は、「少し休めば学校に戻れる」と考えていることがあります。
ところが、何週間、何か月と学校を休むうちに、学校へ戻ること自体が大きな負担になることがあります。
学校へ行っている友達と自分との距離を感じたり、勉強の遅れを気にしたりするようになります。「今さら戻ったらどう思われるだろう」と考えることもあります。
さらに、学校を休んでいる自分を責めるようになると、自信を失ってしまうこともあります。
「明日は学校へ行こう」と思っていても、朝になると不安が大きくなり、頭痛や腹痛が起きたり、ベッドから出られず、また休んでしまうことがあります。起立性調節障害と診断される子もいます。
その経験を繰り返すうちに、「また今日も行けなかった」と自分を責めるようになることがあります。
学校から離れている期間が長くなるほど、元の学校へ戻ることへのハードルが高くなってしまう場合があります。
だからこそ、不登校が長期化してから考えるのではなく、早い段階から子どもが再び動き出すための方法を考えることが大切です。
不登校になった子どもに対して、保護者は「学校へ行ってほしい」と思います。
一方で、子どもが苦しんでいる姿を見ると、「無理に行かせなくてもいい」と考えるようになります。
専門家などに相談したことをきっかけに、それまで「学校へ行きなさい」と言っていた親が、「無理に行かなくてもいいよ」「今は休んでおこうね」と伝えるようになることもあります。
子どもの気持ちを考えて休ませることは、必要な場合があります。
しかし、その言葉が何度も続き、学校へ行かないことが当たり前になってしまうと、別の問題が生まれることもあります。
「学校へ行かなくてもいいよ」と言われたことで、安心する子どももいます。
その一方で、何度も同じ言葉を聞くうちに、「親はもう自分に期待していないのではないか」と感じる子どももいます。
「どうせ自分は学校にも行けない人間なんだ」と、自分自身を否定するようになることもあります。
もちろん、すべての子どもが同じように受け止めるわけではありません。
だからこそ、親が「休んでいい」と伝えるだけで終わらせず、その後の子どもの気持ちや生活の変化を見ることが大切です。
もちろん、反対に「とにかく学校へ行きなさい」と言い続ければ解決するわけでもありません。
子どもが抱えている不安や苦しさを考えずに登校だけを求めれば、親子の関係がさらに苦しくなることもあります。
不登校への対応は、「行かせる」と「休ませる」のどちらかだけで解決できるものではありません。
休ませることも必要ですが、休ませ続けることで子どもがどうなっているのかも考える必要があります。
だからこそ、不登校対応はジレンマとの戦いでもあります。
大切なのは、休むことを目的にするのではなく、子どもがもう一度動き出せる状態をつくることです。
不登校の子どもは、学校へ行かないことだけで悩んでいるわけではありません。
自分自身への自信、友達、先生、親、勉強、将来について、いくつもの不安を抱えていることがあります。
例えば、3か月、半年、1年と学校を休んでいる子どもがいたら、「今、この子は何を不安に感じているのだろう」と考えてみることが大切です。
周りの子どもたちは学校へ通っているのに、自分は学校へ行けていないという状況になります。
「みんなはできているのに、自分はできない」と感じることで、自分に対する自信を失ってしまうことがあります。
学校へ行けないことを、自分自身の問題だと思ってしまうこともあります。
その状態で、以前と同じ学校へ戻ることは、子どもにとって簡単なことではありません。
学校での友達関係について、不安を感じている子どももいます。
「みんなは自分のことをどう思っているのだろう」と考えてしまうことがあります。
「学校を休んでいる自分をどう思っているだろう」「久しぶりに行ったら何と言われるだろう」「もしかして、ズル休みだと陰口を言われているかも」と考えることもあります。
そうした不安が大きくなると、学校へ戻ること自体が怖くなってしまうことがあります。
先生への不安を抱えている子どももいます。
先生が心配してくれていることは分かっていても、それがプレッシャーになる場合があります。
「先生に申し訳ない」「何度も声をかけてもらったのに行けなかった」と感じることもあります。
学校へ戻れないことへの罪悪感が、先生への不安をさらに大きくしてしまうこともあります。
親に対して申し訳ないという気持ちを持っている子どももいます。
自分が学校へ行けないことで、親を心配させていると思ってしまうことがあります。
親が自分のためにいろいろしてくれていることが分かっているからこそ、申し訳ないと感じることもあります。
親に迷惑をかけていると思い込むことで、さらに自分を責めてしまうこともあります。
勉強の遅れも、不登校の子どもにとって大きな不安になります。
学校を休んだ期間が長くなれば、それだけ授業を受けていない期間も長くなります。
「今さら学校へ戻っても授業についていけないのではないか」と考えてしまうことがあります。
実際に学校へ戻って授業の内容が分からなければ、さらに自信を失ってしまう可能性があります。その不安から、学校へ戻らない子もたくさんいます。
特に、学校へ通えていた時に成績が良かった子ほどその傾向があります。完璧主義(ゼロか100か)タイプの不登校の子は、失敗するのが怖いので勉強への不安はさらに大きいです。
だからこそ、学校へ戻ることを考えるときには、これまでの勉強をどう取り戻すのかも考える必要があります。
そして、将来への不安もあります。
学校へ行けない状態が続くと、「このままで自分はどうなるのだろう」と考えてしまうことがあります。
「将来、ちゃんと仕事ができるのだろうか」と不安になる子どももいます。
今できていないことが積み重なると、自分の将来まで否定されたように感じてしまうことがあります。
将来への不安が大きくなると、今から何かを始めることさえ難しくなってしまいます。
不登校になった原因や背景は、子どもによって違います。
ただ、中には人との関わり方や、自分で考えて行動することに苦手意識を持っている子どももいます。
学校生活では、勉強だけでなく、友達と関わることや先生と話すこと、自分で考えて行動することも求められます。
そのため、学校へ戻ることを考えるときには、単純に「登校できるか」だけを見るのではなく、その先の成長についても考える必要があります。
子どもが成長していくためには、自分で考えて行動する経験が必要です。
親がすべてを決めてあげるのではなく、少しずつ自分で考え、自分で選ぶ経験を増やしていくことが大切です。
学校生活の中でも、自分で準備をしたり、予定を考えたり、人に相談したりする経験があります。
そうした経験の積み重ねが、将来の自立につながっていきます。
人との関係をつくることも、学校生活の大切な経験です。
友達と話すこと、相手の考えを聞くこと、自分の気持ちを伝えることなど、日々の生活の中で対人関係を学んでいきます。ネットの世界だけで生きていくことはできません。
不登校の子どもの中には、対人恐怖のように人との関わりに不安を感じている子どももいます。
だからこそ、新しい環境の中で少しずつ人と関わる経験を積めることが大切です。
不登校の子どもにとって、転校は単に学校を変えることではありません。
これまでの環境を変えて、新しい学校でゼロからやり直して学校生活を始める大きなきっかけになります。
今の学校へ戻ることに強い不安を感じている子どもでも、新しい学校なら「もう一度やってみよう」と思えることがあります。
今の学校で友達関係に不安を抱えている子どもにとって、新しい学校は大きなきっかけになります。
これまでの自分を知らない友達と、新しい人間関係をつくることができるからです。
「学校を休んでいた自分」という過去を知らない人たちだからこそ関係をつくることができます。
それだけでも、子どもにとって大きな心理的負担が軽くなる場合があります。
転校先に、自分と同じように不登校を経験した子どもがいる場合もあります。
その子が新しい学校で学校生活を送っている姿を見ることができれば、希望につながることがあります。
「自分もここなら変われるかもしれない」と思えることがあります。
自信を失っている子どもにとって、「自分もできるかもしれない」という気持ちは大切です。
転校先で「学び直し」学習サポートを受けられれば、これまでの勉強の遅れを取り戻すきっかけにもなります。
「遅れてしまったからもう無理」と考えるのではなく、これから学び直していける環境を探すことが大切です。
勉強が分かるようになれば、それが自信につながることもあります。
転校の大きな意味は、これまでの自分を知っている人たちの中へ戻るのではなく、新しい場所から始められることです。
学校が変われば、友達も先生も変わります。
生活環境が変われば、これまでとは違う経験をすることもできます。
その中で、少しずつ自信を取り戻し、「自分もできる」という経験を積んでいくことができます。
不登校の子どもの転校先を探すときは、「転校できる学校か」だけで決めないことが大切です。
大切なのは、その学校へ移った後に子どもがどのような学校生活を送れるかです。
まず確認したいのは、学校の雰囲気です。
先生や生徒の様子、学校生活、クラスの雰囲気などを確認してください。
必ず学校を実際に見学し、子ども自身がどう感じるのかを確かめることをおすすめします。
勉強の遅れがある場合は、学習面のサポートも重要です。
どのように学習を進めるのか、分からないところを質問できるのかなど、具体的な支援について確認してください。
子どもの現在の学力や学習状況に合わせて、無理なく勉強を進められる環境なのかを見ることが大切です。
友達や先生との関係をつくることも、転校後の重要なテーマです。
学校の中で人と関わる機会があるか、困ったときに相談できる先生がいるかを確認してください。
人との関わりに不安がある子どもでも、少しずつ経験を積める環境が大切です。
転校後の学校生活を考えるときには、自分で考えて行動する経験ができるかどうかも確認してください。寮のある学校では、寮生活を通じて自立力を養うことができます。
学校生活の中で、自分でできることを増やしていくことは、その後の人生にもつながります。
勉強だけではなく、自立する力を育てる教育があるかどうかも、転校先選びのポイントになります。
中学校を転校するのであれば、その後の進路についても考えておく必要があります。中高一貫校なら、大学進学等も含めて確認しておきましょう。
転校先の中学校を卒業した後、どのような進路を選んでいるのかを確認してください。
実際に卒業生がどのような進路へ進んでいるのかを見ることで、子どもの将来を考える材料になります。
不登校になったとき、すぐに転校を決める必要があるとは限りません。
しかし、「もう少し休ませよう」と考えている間にも、子どもの不安が大きくなっていないかを見ることは大切です。
学校へ戻れない期間が長くなるほど、自信を失ったり、友達や先生、勉強、将来についての不安が大きくなっていきます。
だからこそ、早い段階から転校という選択肢を調べておくことをおすすめします。
転校するかどうかを考えるためにも、まずは新しい学校を見てみることが大切です。
実際の学校の雰囲気を知ることで、子ども自身が「ここなら行ってみたい」と思えることもあります。
不登校の子どもに必要なのは、「我慢して今の学校へ戻ること」だけではありません。
今の学校へ戻ることが難しいのであれば、新しい環境で学校生活を始める方法があります。
転校によって人間関係を新しくし、先生との関係を新しくし、勉強をやり直すことができます。
そして、新しい環境で自信を取り戻し、自立する力や人と関わる力を身につけていくこともできます。
そのためには、転校先を慎重に選ぶことが大切です。
学校を変えるだけではなく、その学校で子どもが安心して過ごし、学び、成長していけるのかまで考えてください。
不登校が長期化して子どもの不安がさらに大きくなる前に、今の学校へ戻ることだけにこだわらず、転校という選択肢について親子で考えてみてください。
A:不登校が続いている場合でも、転校を選択肢として考えることはできます。
ただし、転校先によって受け入れ条件や時期などが異なります。
具体的な条件については、希望する学校へ直接確認することが大切です。
A:転校すれば必ず学校へ行けるようになるとは言えません。
ただ、新しい環境に変わることで、これまで抱えていた不安が軽くなり、学校生活を始めるきっかけになることはあります。
大切なのは、転校先で子どもの不安や学習面、生活面をどのように支えていくかです。不登校教育の有無も確認してください。
A:転校すると、これまでとは違う人間関係を一からつくることになります。
今の学校の友達関係に強い不安を感じている子どもにとっては、新しい関係を始められることが安心につながる場合があります。
新しい友達をつくることにも不安はあるため、学校の雰囲気や生徒の様子を実際に確認することが大切です。
A:勉強の遅れがある場合でも、転校先を探すことはできます。
重要なのは、転校後に遅れている学習をどのように取り戻していくのかを確認することです。
入学後の学習サポートや、個別の学習への対応について、学校へ確認しておきましょう。
A:転校できるかどうかだけではなく、転校後の学校生活まで考えて選ぶことが大切です。
学習面、人間関係、先生との関係、生活面など、子どもが抱えている不安に対応できる環境なのかを確認してください。
また、子どもがその学校へ行ってみたいと思えるかどうかも大切なポイントです。
不登校が長期化すると、子どもは自信、友達、先生、親、勉強、将来について不安を抱えることがあります。
こうした不安が積み重なると、学校へ行きたいと思っていても、実際には動けなくなることがあります。
不登校への対応は、「学校へ行かせる」と「休ませる」のどちらかだけで解決できるものではありません。
休むことが必要な時期もありますが、そのまま休み続けることが子どもにとって良いのかを考え続けることも必要です。
今の学校へ戻ることで不安を解消できるのであれば、戻るという方法があります。
一方で、今の学校へ戻ることそのものが大きな不安になっているのであれば、転校によって環境を変えることも考えてください。
中学転校は、不登校の子どもが新しい環境で学校生活を始めるための大きなきっかけになります。
人間関係や先生との関係を新しくし、勉強をやり直し、新しい経験を積むことができます。
そして、新しい環境で自信を取り戻し、自立する力や人と関わる力を身につけていくこともできます。
不登校が長期化して子どもの不安がさらに大きくなる前に、今の学校へ戻ることだけにこだわらず、転校という選択肢について親子で考えてみてください。
中学生が引っ越すときの転校手続き
転校できる私立中学校の探し方|転入・編入の確認方法と学校への相談
中高一貫校へ転校できる?途中からの転校条件・試験・手続きを解説