帰国生・帰国子女の中学転校

帰国生・帰国子女の中学転校|転校先の選び方と手続き

2026/9/26 03:17

海外から日本へ帰国するとき、子どもの中学校をどうするかは、保護者にとって大きな問題です。

日本人学校に通っていた場合でも、現地校やインターナショナルスクールに通っていた場合でも、日本の学校へ移るときには、学年や学習内容、転校する時期などを確認する必要があります。

特に注意したいのが、日本と海外では学校年度が異なる場合があることです。

日本の学校は4月に新年度が始まりますが、欧米では9月から新年度が始まります。そのため、帰国する時期によっては、日本の学校の学年や授業の進み方とのずれが生じることがあります。

また、帰国生を受け入れている学校でも、4月だけでなく9月や1月など、複数の時期に編入を受け付けている場合があります。一方で、受け入れ時期や学年、試験内容は学校によって異なります。

この記事では、帰国生・帰国子女の中学転校について、転校先を探すときに知っておきたいことを整理します。

この記事でわかること

→ 「全国から中学転校生が次々と集まる桜丘中学校(三重)」

1.帰国生の中学転校にはいくつものパターンがある

帰国生の中学転校といっても、すべての家庭が同じ状況ではありません。

例えば、海外の日本人学校から戻るケースもあれば、海外の現地校やインターナショナルスクールから日本の学校へ移るケースもあります。

また、保護者の海外赴任が終わって家族全員で帰国する場合だけでなく、保護者は海外に残ったまま、子どもだけ先に帰国するケースもあります。

反対に、保護者の海外赴任に合わせて、子どもだけ日本へ留まっておくケースもあります。日本の大学受験に合わせる必要があるからです。

つまり、「帰国生の中学転校」と一言でまとめても、実際にはさまざまな事情があります。

そのため、まずは「どこから、いつ、日本のどの地域へ戻るのか」を整理しておくことが必要です。

2.海外の日本人学校から日本の中学校へ帰国する場合

海外の日本人学校は、日本の公立中学と同じカリキュラムで学んでいるため、日本の中学校へ戻る際にも基本的にスムーズに入ることができます。

ただし、私立中学への転校の場合は、同じように学習が進んでいるとは限りません。

特に学年途中で帰国する場合には、帰国先の学校が現在どこまで学習を進めているのかを確認しておくと安心です。

転校先を決める前に、現在使っている教科書や学習内容を整理しておくと、学校との相談もしやすくなります。

3.海外の現地校やインターナショナルスクールから帰国する場合

海外の現地校やインターナショナルスクールから日本の中学校へ移る場合は、日本人学校からの帰国とは違った確認が必要になります。

特に注意したいのが、教科ごとの学習内容です。

海外では、日本とは授業の進み方や教科の構成が異なります。

例えば、数学や理科などで日本の学校とは扱う順番が違っていたり、日本の中学校ではすでに学習している内容を海外ではまだ学んでいなかったりする場合があります。

そのため、帰国してから「授業についていけるか」を考えるのではなく、帰国前から現在の学習内容と日本の学校の学習内容を確認しておくとよいでしょう。

転校先によっては、これまで海外で受けてきた教育内容を確認したうえで、入学・編入の方法や学習面について相談できる場合もあります。

帰国生の場合、単に学年が合っているかだけでなく、「これまで何を学んできたのか」を見てもらえるかどうかも確認しておきたいところです。

4.学年途中で帰国するときは、受け入れ時期を確認する

帰国生の転校で特に注意したいのが、帰国する時期と学校の受け入れ時期が合うかどうかです。

そのため、保護者の海外赴任が終わる時期によっては、子どもが日本の学校へ移る時期が学年の途中になることがあります。

帰国生の受け入れ時期については、下記のような例があります。

帰国時期が決まったら、できるだけ早く候補となる学校の募集要項を確認しましょう。

5.帰国生入試と転入・編入試験は同じではない

帰国生が日本の私立中学校などへ移る場合、「帰国生入試」と「転入・編入試験」が同じものだと思ってしまうことがあります。

しかし、実際には別々に設定されている場合があります。

入試については、下記のような例があります。

また、試験科目も学校によって違います。

国語・数学・英語などの筆記試験を行う場合もあれば、面接や書類による確認を組み合わせる場合もあります。

したがって、「帰国生だから、この試験を受ければよい」と決めつけることはできません。

転校を希望する学校が決まったら、「帰国生入試なのか」「転入・編入試験なのか」「どの学年で受けられるのか」を確認する必要があります。

6.海外で身につけた語学力を生かせる学校を探す

海外で生活していた子どもの中には、現地の言語や英語を身につけている子もいます。

長期間海外で学んできた子どもにとって、その語学力は大きな経験の一つです。

日本へ帰国したあとも、その経験を生かせる教育環境を選ぶ方法があります。

実際に、帰国生向けの外国語教育や国際教育を行い、海外で身につけた語学力を生かせる環境を設けている学校があります。

一方で、帰国生だからといって、必ず国際教育を行っている学校を選ばなければならないわけではありません。

大切なのは、子どもが海外でどのような教育を受けてきたのか、どの言語を使って生活してきたのか、そして帰国後にどのような学びをしたいのかを考えることです。

「海外で身につけたものをそのまま伸ばしたい」のか、「日本の学校生活に戻ることを優先したい」のかによっても、選ぶ学校は変わってきます。

7.保護者が海外に残る場合は、生活環境も考える

保護者の海外赴任が続いているものの、子どもだけ先に日本へ帰国するケースもあります。

この場合、学校選びだけでなく、誰と暮らすのかという生活環境も考える必要があります。

祖父母などの親族と生活する方法もありますし、寮のある学校を選ぶ方法もあります。

特に保護者が海外に残る場合は、学校に通っている時間だけでなく、朝起きてから夜眠るまでの生活全体を考えることが大切です。

食事、洗濯、健康管理、勉強、学校との連絡など、保護者が海外にいることで誰が対応するのかを事前に決めておきましょう。

また、子ども自身が日本での生活をどう考えているのかも確認しておく必要があります。

学校だけを決めて終わりではなく、帰国後に安心して生活できる環境まで含めて考えることが、帰国生の転校では重要になります。

8.転校先を選ぶときに確認したいこと

帰国生の転校先を選ぶときは、学校名だけで決めるのではなく、子どもの状況に合っているかを確認しましょう。

特に確認しておきたいのは、次のような点です。

すべての条件がそろった学校を探すのは簡単ではありません。

だからこそ、家庭として「帰国後に何を優先したいのか」を先に整理しておくと、学校を比較しやすくなります。

9.帰国前から転校先を探しておく

帰国してから学校を探し始めるよりも、帰国することが決まった段階で情報収集を始めたほうが、選択肢を持ちやすくなります。

特に私立中学校への転校を考えている場合は、受け入れ時期や試験日、出願資格、必要書類などを早めに確認しておきましょう。

転校試験については、海外にいる間に受験できる場合や、帰国時期に合わせて試験日が設定されている場合もあります。

一方で、出願書類として在学証明書や成績資料、海外在留を証明する書類などが必要になることもあります。

帰国が決まったら、次のような順番で準備していくと整理しやすくなります。

「帰国してから考える」のではなく、帰国前から学校と自治体の両方に確認しておくことで、帰国後の動きをスムーズにしやすくなります。

10.よくある質問

Q:海外の日本人学校から帰国する場合、勉強についていけますか?

A:補習校に通っている場合は、心配ありません。もちろん、私立中学への転校の場合は進度が異なりますので、学習サポートがある学校なのかも確認してください。

帰国前に現在の学校でどこまで学習しているのかを確認し、転校先の学校にも相談しておくと安心です。

Q:現地校から帰国する場合、学年はどうなりますか?

A:原則として年齢に応じた学年が基本になりますが、具体的な扱いは学校や自治体への確認が必要です。

海外と日本では学校年度や学習内容が異なる場合があるため、帰国時期と現在の在籍学年を伝えて相談しましょう。

Q:帰国生なら、必ず帰国生入試を受けるのでしょうか?

A:必ずしもそうとは限りません。

学校によって、帰国生入試と転入・編入試験を別に設けている場合があります。

希望する学校の募集要項を確認し、自分がどの制度の対象になるのかを確認してください。

Q:帰国する時期が9月でも中学校へ転校できますか?

A:9月など学年途中の時期に編入を受け入れている学校もあります。

ただし、受け入れ時期は学校によって異なります。帰国時期が決まったら、希望する学校がその時期に編入を受け入れているか確認しましょう。

Q:保護者が海外に残ったまま、子どもだけ日本へ帰国することはできますか?

A:可能なケースはありますが、学校だけでなく生活環境まで事前に考えておく必要があります。

親族と暮らすのか、寮のある学校を選ぶのかなど、帰国後の生活を含めて準備しておきましょう。

まとめ

帰国生・帰国子女の中学転校は、一般的な転校とは違い、海外での学校生活や帰国する時期、学習内容などを考える必要があります。

日本人学校から帰国する場合と、現地校やインターナショナルスクールから帰国する場合でも、確認したいポイントは変わります。

また、日本の4月という学校年度と海外の学校年度が合わない場合には、9月など学年途中での転校を考える必要もあります。

帰国生を受け入れている学校の中には、4月だけでなく9月や1月など、複数の時期に編入を受け付けているところもあります。

一方で、受け入れ学年や試験内容、出願資格は学校によって異なります。

だからこそ、帰国が決まった段階から情報を集め、子どものこれまでの学習内容、帰国後の生活、学校での学び方まで含めて転校先を考えていくことが大切です。

海外で過ごした経験や身につけた語学力を生かすのか、日本の学校生活に戻ることを優先するのか。

家庭によって答えは違います。

子どもにとって帰国後の学校生活がどのようなものになるのかを考えながら、無理なく通える学校を探していきましょう。