中学転校体験談

中学転校を経験した子ども3人の体験談

2026/9/28 08:29

中学転校を考えていると、「実際に転校した子どもは、転校前にどんなことを考えていたのか」「転校した後の学校生活や寮生活はどうだったのか」と気になる方も多いと思います。

ここでは、桜丘中学校への転校を経験した3人の体験談を紹介します。

3人とも、転校を決めた理由や転校前の状況は同じではありません。

不登校になり、長期間学校に通えなくなっていた人。

人間関係や勉強の問題から学校に行きづらくなり、転校を考えた人。

そして、最初から転校したいと思っていたわけではなく、保護者に勧められて転校した人もいます。

転校後の感じ方や成長の仕方も、それぞれ違います。

実際に転校した本人が書いた言葉だからこそ、転校を考えている方にとって参考になる部分もあるのではないでしょうか。

この記事でわかること

→「全国から中学転校生が次々と集まる桜丘中学校(三重)」

※桜丘中学へ転校後、桜丘高校を卒業した生徒の体験談を抜粋しました。

1.中学転校体験談(女子):起立性調節障害から中学転校

「私は中学1年生の途中から、朝、起きられなくなったんです。どうしても体が動かない。頭痛やめまい、倦怠感があって、午前中はほとんど布団から出られない日が続きました。

病院に行くと「起立性調節障害」だと診断されました。合計で一年くらい学校に通えていなくて、遠足や文化祭などの行事の日だけ無理して行きました。

最初は体調が悪く、3か月ほど休んでいました。中学2年生の5月ごろには体調がだいぶ良くなってきたものの、休んでいた期間が長くなるにつれて、学校へ戻ることが難しくなっていきました。

もともと人と関わるのが苦手で、人の目とか気にする性格だったので、体調は良くなってきたけど、それから行けなくなりました。

学校へ戻るタイミングを逃した感じです。

休んでいる間の生活は、ダラダラしていました。起きるのは早くて13時前後ぐらいでした。午前中に起きることはほとんどなくて、一日中のんびり、ごろごろしてたり、ベッドの中で動画を見ているような生活でした。

昼夜逆転をする時もありました。母親とも言い合いになったことはありますが、ある時から私に何も言わなくなりました。

何を言っても動かないと感じたんだと思います。学校のことを考えるのも嫌というか、無意識に避けていました。学校が怖かったです。

両親がこの状態を心配して、何とかしなければと考えてくれたんだと思います。ずっと家にこもっている私を見て、このままではいけないと感じたんでしょうね。

桜丘は両親がネットで見つけてくれました。まず東京相談会に行きました。その後、私も転校オープンキャンパスに参加しました。

自然の中にあるキャンパス、寮生活の様子や学校の雰囲気を直接見て、少しずつ「ここなら!」という気持ちが芽生えていきました。今の生活をやり直せるのはここだけでした。

転校の決め手は、自分と同じような境遇の生徒が多い環境だったことです。人の目を気にしすぎる私にとって、不登校を経験した仲間がいることは大きな安心材料になりました。

それに、全寮制であることも、生活リズムを立て直すきっかけになると思いました。その時の自分の生活がダメだってわかっていましたから。

学校を見学し、2週間後に転校試験を受けて、中学2年生の2月に桜丘に転校しました。

転校直後は、正直戸惑いが大きかったです。それまで1年近く人と関わってこなかったんですから、当然ですよね。

寮生活は集団生活で、気遣いや気配りが求められます。同年代の生徒たちと一緒に過ごす時間は、最初は苦痛に感じることもありました。

最初は夜に親に電話をかけて泣いたこともありました。でも、少しずつ寮の生活に慣れていきました。

寮生には自分と同じような悩みを持っていた生徒もいて、先輩たちが自分の経験を率直に話してくれてたのが心の負担を軽くしてくれました。

桜丘の生徒は、優しい人が多いんです。同じような経験をしてきた仲間だからこそ、通じ合えるものがありました。

友達もたくさんできて、2ヶ月が経過したころから寮生活に馴染めて、かつては人の目を気にしてばかりだった私が、少しずつ自分を出せるようになっていったんです。

気の合う仲間もできて学校生活も楽しむことができました。

桜丘の寮生活は、規則正しいです。起床は6時半です。

不登校で引きもりで朝が苦手だった私にとって、この規則正しい生活は転校する前は辛そうだなと感じていましたが、実際は無理なく起きることができました。

私の場合は、この生活が起立性調節障害の改善に良い影響を与えてくれました。仲間との生活も良いリズムを作るのに助けてくれました。

一人では改善できなかったと思います。規則正しい寮生活と、目標に向かう気持ちが、体調の安定につながったんです。

人と関わることも、以前より自然にできるようになりました。不登校だった頃は、人の目が怖くて仕方なかった。

それが同じ目標を持つ仲間とともに学び、寮で共同生活を送ることができました。

約1年間学校に通っていなかったので、勉強の遅れは大きな不安でした。でも、桜丘には学習面でのサポートがあります。

寮の先生が勉強を教えてくれることもありました。私は限られた時間の中で、遅れを取り戻すために努力しました。

漢字検定や英語検定にもチャレンジできたので、目標に向かって取り組む姿勢が作れたと思います。

私は医学部を目指していたので、桜丘にある「医進メディカルスクール」にも助けてもらいました。本格的に勉強にも力を入れ出したのは中学3年生からでした。

決して早くはなかったけど、目標に向かって一直線に進みました。

そして、医学部に現役で合格することができました。

起立性調節障害で学校に通えなくなった私が、全寮制の環境で生活リズムを立て直し、同じ境遇の仲間に支えられながら、少しずつ人と関わる力を取り戻していきました。

そして、医師になるという目標を見つけ、医学部への合格を果たしました。

「タイミングを逃した」と思える状態からでも、環境を変えることで再スタートできる。私自身がその証明になれたら嬉しいです。」

2.中学転校体験談(男子):いじめ→不登校から中学転校

「中学2年生の夏休み前くらいから、学校に行けなくなりました。1年と少しの間、学校に通っていませんでした。

きっかけは部活でのトラブルでした。そこから先輩と同級生にからかわれて、いじめが始まりました。

我慢して通っていましたが、体が学校へ行くのを拒否しはじめました。最初のうちは制服に着替えて玄関口まで行くこともありましたが、だんだんそれもできなくなって、朝起きられなくなって、夜は遅くまで起きている。

一日中、携帯をいじっているような生活でした。入学当初から学校の雰囲気が好きじゃなくて、行きたくないと思っていたんです。

それが不登校になった自分を正当化していたように思います。

自分の部屋でずっと過ごしていて、一日中「何にもしてない」というのが一番正しい表現かもしれません。

やることもないし、別に楽しかったわけでもない。ただ、学校に行きたくない。そんな毎日でした。

もともとすごく内気で、主体性がなかったと感じています。友達付き合いも、先生との関わりも、すごく薄かった。

人と関わりを持つこと自体が下手だったんだと思います。

僕はずっと不登校だったので、親が転校できる学校を調べてくれて、「一度、桜丘のオープンキャンパスに行ってみないか」と中学2年生の秋に誘われました。

でも、最初に言われたときは嫌でした。ずっと実家暮らしだったので、親元を離れるのがまず嫌で、転校したくないなという気持ちがすごくあって。

見学に行っても、最初から「嫌だ、嫌だ」と思い込んでいたので、あんまり桜丘に入りたいとは思いませんでした。

中学2年の秋と、中学2年の冬に2回行きましたが、2回目も正直、僕は嫌でした。

でも、このまま不登校を続けるわけにはいかないと諦めの気持ちで転校することにしました。

最後まで、自分から行きたいと言わなかったのです。正直に言うと、自分が決めたというより、親に決められたという感覚でした。

でも、桜丘には自分と同じような境遇の生徒が多いと聞いていたので、そこは少し安心材料にはなりました。

人の目を気にしすぎる自分にとって、同じような経験をしてきた仲間がいることは、もしかしたら居心地がいいかもしれないと思ったんです。

中学3年生の5月に桜丘に転校しました。

転校初日は、どんなクラスメイトや寮生がいるのかビクビクしていました。寮は先輩が優しかったので、寮生活にはそこまで不安はありませんでした。

思っていたより生活しやすいなという印象でした。クラスでは、まだどこかで納得せずに入ったのが大きかったんですけど、最初は自分から馴染もうとしませんでした。

転校してしばらくは、ずっと「嫌だ、嫌だ」と親に言っていました。夏休み明けも一応学校には行きましたが、家にいたいという気持ちが長く続いていました。

9月の帰省のときに、3日間帰らなかったことがありました。でも、その時に「また同じことを繰り返すのかな」と考え直して、覚悟を決めました。

「ここであと4年くらい頑張っていこう」って、自分で「よし」と思えたんです。

一緒に入ってきた転入生の友達がいたんですが、その子と関わる中で、学校生活を見つめ直してみて、「寮もクラスも、そこまで嫌がるほどの話なのかな」と思えてきたんです。

それまで人間関係をうまくやろうとは思っていなかったんですが、まず「やろうとしていなかったな」と気づけたのが、すごく成長できた点だと思っています。

実際、今の自分に繋がっています。

自分と同じ境遇の人がいて、今まで自分の気持ちに共感してくれる人がいなかったんですが、ここにはいっぱいいて。

もともとそうだった人が友達をたくさん作って楽しそうにしているのを見て、「そうなんだな」と思いました。

桜丘の寮生活は、思っていたより生活しやすかったです。先輩が優しかったので、そこは安心できました。

寮では規則正しい生活です。朝は決まった時間に起きて、夜は決まった時間に消灯。

不登校時代は昼夜逆転していたので、最初は慣れませんでしたが、生活リズムが整っていくにつれて、体調も安定していきました。

寮生活の中で、競う相手がいつも周りにいたというのは大きかったです。自分のレベルがどこであろうと、寮生活の中では常に周りに目標となる仲間がいる。

それが勉強などのモチベーションにもなりました。

不登校のブランクがひどくて、英語と数学は全く勉強していませんでした。転校してきてから先生や友達と一緒に復習していました。

最初は甘く考えていたのですが、中間テストで後から転校してきた友達に負けて、「さすがにまずいな」と思って、そこから気持ちを入れて勉強するようになりました。

校外模試などを受けるようになって、結果が出るようになってきたんです。桜丘の中だけの評価ではなく、全体で見たら自分がどの辺にいるのかがわかるようになって、それからもっと勉強しようと思えました。

寮生活の中で、競う相手がいつも周りにいたというのが大きかったです。

塾には行っていませんでした。グレード別の授業があったり、進学ゼミで外部の講師の先生が来てくれたりして、塾に行かなくても大丈夫な環境でした。

分からないことがあったらすぐに聞きに行けるというのが、すごく大きかった。寮の自習中でも先生に聞きに行けば、すぐに教えてもらえました。

高校1年になってからは、寮の中学生の学習サポート担当になりました。後輩たちが協力してくれて、自習環境が良くなっていって、自分自身も勉強に集中できるようになりました。

不登校時代の勉強の遅れを取り戻すことができたのは、この学習環境のおかげです。

後輩たちにも学習環境を良くしてあげたいという気持ちが、寮の先生や先輩たちからの信頼を得られたのかなと思います。

もともとは地元の国立大学を目指していたんですが、寮には東京や関東出身の生徒がたくさんいて、彼らとの会話や考え方から刺激を受けて、最終的に慶應義塾大学に合格し、進学することができました。

前の学校や家だったら、ここまで偏差値を伸ばすことはできなかっただろうし、寮の委員会や学校行事のチームリーダーになることもなかったと思います。

桜丘の環境には感謝しています。

桜丘での生活を通して、一番変わったのは「人間関係をうまくやろうと思えるようになった」ことです。

それまでは、そもそもそういうことを考えたこともなかった。まず「やろうとしていなかったな」と気づけたのが、大きな成長でした。

中学3年生の時は、普通に学校生活を楽しめるようになっていました。高校1年になって、周りの人が行事の実行委員とかしているのを見て、ほかの人の役に立てることをしたいなと思うようになって、行事の実行委員の部門リーダーをやるようになりました。

周りからの信頼を得られるようになってきたんだと思います。

不登校だった頃は、人の目が怖くて仕方なかった。それが今では、自分から人の輪の中に入っていけるようになりました。

同じ目標を持つ仲間とともに学び、寮で共同生活を送る中で、少しずつ自分を出せるようになっていったんです。

両親は、僕が不登校だった頃からずっと心配していました。転校しようとオープンキャンパスに連れて行ってくれたのも、何とかしなければという気持ちからだったんだと思います。

転校当初は、僕が寮生活に馴染めずにいることを心配していたと思います。でも、そこから僕が自分で覚悟を決めて、学校生活を楽しめるようになっていく姿を見て、安心してくれたんだと思います。

最終的に慶應義塾大学に合格できたことで一つ恩返しができたと思っています。

転校を考えている人に伝えたいのは、入る前は不安が大きいと思うけど、寮だから友達と距離感が近くて、気の合う友達が絶対にできるということです。

安心して入学、転校してきて、学校生活と寮生活を楽しんでください。」

3.中学転校体験談(男子):不登校→成績不振から中学転校

「私は中学2年生の秋ごろ、学校に登校できなくなっていました。きっかけは前の学校での人間関係の問題です。

どんどん成績も落ちてしまい、学校に行きづらくなって、気づけば3か月くらいは登校できていない状態でした。

もともと人と関わることが得意な方ではありませんでした。不登校になってからは、ますます人との関わりが減っていって、どうやって戻ればいいのかわからない。

そんな状態でした。

私立の中高一貫進学校へ通っていたので、学校を休んではいましたが、このまま高校へ進学できると思っていました。

しかし、3年生になった時に親が学校に呼ばれて、これ以上休みが続けば高校進学ができないかもしれないと言われました。

何も勉強をしていないので高校受験ができるわけもなく、通信制高校は選択肢にもありませんでした。

親はうまく別の私立の中高一貫校に転校できれば、高校受験せずに高校進学できるとも考えて、早めの転校を勧めてくれました。

自分から動きたくても動けない。そんな私を見て、親は「このままではいけない」と考えたんだと思います。

桜丘のことは親から勧められて知りました。不登校の生徒でも受け入れてくれる学校だと聞いて、「自分を変えてくれるのではないか」と思ったんです。

オープンキャンパスに行きました。正直な印象を言うと、田舎だなと思いました。

都会で生まれ育った私には自然に囲まれているのが新鮮でした。案内係の生徒さんたちも良い人ばかりでした。

でも、そこまで惹かれる感じではありませんでした。そんな印象だったのに、なぜ桜丘に来ようと思ったのか。

それは、元の中学に戻る選択肢がなかったからです。高校進学できる内申点がなかった。他に行く場所がなかったんです。

中学3年生の1学期に、桜丘に転校しました。

転校直後は、正直覚えていないぐらい時間が過ぎるのが早かったように感じました。ただ、寮生活については嫌じゃなかったです。

むしろ、寮という環境で他の生徒と深い関わりができたことが楽しかった。結構個性的な生徒が多くて、それが面白かったんです。

学校生活は楽しかったです。他の学校では味わえなかった感覚でした。

それまで人と深く関わることができなかった私にとって、寮での共同生活は一種のリハビリのようなものでした。

「リハビリ療法によって戻すことができた」という表現が一番しっくりきます。人と関わる感覚を、寮生活を通して少しずつ取り戻していったんです。

桜丘で成長できたところは、精神的に強くなれたことです。いろんなことがありましたから。

自分には性格的に合わないような人も寮にはいるけど、そこを適度な距離を取りながらすり抜けていくことで、自分が強く生きるサバイバル力がついたんだと思います。

遅れた勉強も自分のペースで先生と相談しながら取り戻していきました。高校に上がる時には、追いついていました。

高校に入ってからは部活に熱を入れていたので、あまり真面目に勉強しませんでした。

でも、桜丘の授業は志望大学を目指すうえで何も問題がなく、先生方のレベルが結構高かったです。

先輩たちも東大や京大へ行きましたから、安心して先生たちの授業についていきました。

特に高校2年の2学期からは本格的に受験対策の授業があって、予備校の授業にも引けを取らないような内容で、面倒見もよく、放課後にも志望校対策をしてもらえました。

どの先生も面倒見がよかったです。寮にも先生がいて、遅い時間に質問しに行っても教えてもらえたのが良かった。

なんとか現役で国立大学に進学することができました。前の学校では絶対に行けないような大学だから、寮生活をがんばった甲斐がありました。

大学では留学をしてみたいです。英語も含めた国際的な力を身につけていきたいと思っています。

桜丘に転校するといろいろなことがあると思いますが、あきらめずに頑張ってください。努力したことが必ず力になると思います。」

4.3人の体験談から見えてくること

今回紹介した3人は、転校前の状況も、転校を決めた理由も同じではありません。

最初から転校を望んでいた人ばかりでもありません。

保護者に勧められてオープンキャンパスへ行き、最初は転校したくなかったという人もいます。

また、転校直後から学校生活を楽しめたわけではなく、時間をかけて新しい環境に慣れていった人もいます。

一方で、3人に共通しているのは、転校後の学校生活や寮生活の中で、それぞれが新しい人間関係を築き、勉強や学校生活に取り組みながら、自分自身の変化を感じていることです。

中学転校を考えるときには、「転校すればどうなるか」だけではなく、「どのような環境で学校生活を送るのか」「その環境で子どもがどのように過ごせるのか」まで考えておくことが大切です。

3人の体験談も、転校先を考える際の一つの参考にしてください。

まとめ

中学転校を経験した3人の体験談を紹介しました。

不登校や人間関係、勉強の遅れなど、転校前に抱えていた問題はそれぞれ違います。

また、転校に対する気持ちも、「もう一度やり直したい」と考えていた人ばかりではありません。

転校後も最初からすべてがうまくいったわけではなく、新しい環境の中で少しずつ学校生活や寮生活に慣れていった人もいます。

実際の体験談には、転校を考えている本人や保護者にしか分からない不安や、転校してから感じたことが書かれています。

中学転校を検討している方は、こうした実際の体験も参考にしながら、子どもに合った環境を考えてみてください。