学園長のメッセージ
学園長 青田進
私の青春時代のことですが、「自分とは何なのか」「自分は何のために生まれてきたのか」「生きている意味とは何なのか」との問いが頭の中を占めて、勉強に熱中できなかったのを思い出します。
今、多くの若者が、私と同じ悩みを持って苦しんでいるようです。自分がやりたい仕事が見つからないので、それが見つかるまではアルバイトや派遣の仕事でもしておこうと、正規の職に就かなかった人がたくさんいます。正社員になったがどうも自分にはこの仕事は合わないと、すぐに辞めてしまってアルバイトや派遣の仕事をするになった人もたくさんいます。そうした若者の惨状は目を覆うばかりです。
あなたは見えましたか、「自分」とは何かが。
この世の中には自分と同じ人はいません。自分は他の人とは違います。これは同意していただけますね。
では、他の人とあなたはどこが違うのですか。違うのは確かでしょう。お父さんともお母さんとも兄弟とも、友達とも違う自分であることは確かです。では、どこが違うのでしょうか。
「自分は他の人とは違う」ことの中に、自分とは何かを発見する糸口があるのです。違うことそのものがあなたが存在する理由を示しているのです。
他の人とは違うとは、あなたと同じ人がこの地球上に存在しないことを表しています。つまりあなたは、他の人が持っていない力を持っているのです。他の人の持たぬ、あなたにしかない力を持っているから、あなたは他の人と違う自分を感じるのです。
自分にしかないものを発見できたらどうなるでしょうか。それこそが自分の存在理由になるのです。この世の中で、他の人にはできないことをやることで、この世で光り輝く存在になれるではありませんか。多くの人があなたを必要とするようになるのです。
自分とは何かの答えを見いだしたければ、他とは違う自分の力を見いだせば良いのです。では、どうすれば見つけることが出来るのでしょうか。
あなたにしかないものは、すでにあなたの中にあります。見えないだけです。気づかないだけです。隠れているだけなのです。どうすれば見つけることができるのでしょうか?
人間の持つ力とは、使うことによって伸びてきます。芽を出すのです。土の中に埋まっている球根は、どこに存在しているのかは見えません。春になって気温が上がれば、芽を伸ばし、「ここにいるよ。」と教えてくれます。人間の持つ力は使うことによって伸びるのですから、使っている内にグングンと芽を伸ばし、自ら見えるようになります。
どんな力を持っているのかがわからないのですから、とにかく色々なことをやってみることが大切なのです。色々とやっている内に、「あれ、私は他の人にないこんな力を持っていた。」と気づくことができます。色々とやってみて、様々な力を使うことで、ある時突然眠っていた力が目覚めるのです。
授業を受けているだけでは、自分を発見できないのは当たり前なのです。多くのことに力を使ってみることこそが大切なのです。そのために桜丘中学・高校は全寮制のシステムを採用しています。
全寮制だから、夜も朝も色々なことに挑戦できます。様々な取り組みを指導してくれる先生がいつも一緒にいてくれます。一緒に挑戦する仲間がいます。一人ではやれないことも続かないことも、仲間と一緒ならやれるのです。全国各地から集まって来た仲間と共に、自分を探すための様々な活動に取り組もうとするのが桜丘中学・高校なのです。
寮は、小さな社会・大きな家族です。多くの人とふれあい、多くの人と協力して活動し、共に汗を流し、時には涙を流しつつも励まし合い、笑顔と共に手を握り合う。そんな生活の中から、多くの人とつながって生きていく力も身につけることができるのです。
他の人にはない、自分にしかない素晴らしい力を発見する場、多くの人の中で生きていく力を身につける場が、寮であり、桜丘中学・高校なのです。